先日、元ジャズ喫茶を経営されていた方からの感想をご紹介しました。そのブログでSP用のカートリッジに言及されていましたので、ちょうど良い機会ですのでSPレコード用カートリッジ3種を簡単に聴き比べてみました。
そもそも蓄音機時代のSPレコードを聴く方はかやり限られているように思いますが、その分熱烈な音楽や当時の文化のファンであることも多いような気がします。
SPレコードは大衆受けした曲ほど痛みが酷く、白く粉を吹いたようになっていたり、中には欠けていたりヒビが入っていたりするものもあります。
後世のLP、EPに比べるとレンジも狭くノイズも多いため、特にピアニッシモは苦手な傾向にあります。またものによっては音がボケたり滲んだりしていることもあります。
それでもうまく再生するとその時代の独特の空気や78回転ならではのエネルギッシュな演奏を聴くことができるのです。
レコード聴きながら順に替えて比べてみたのですが、それでも特徴が違うのは一聴して分かりました。
GEバリレラ VRⅡ おそらく純正針
DENON DL-102SD
Vinyl Audio Laboratory MGF-SP1S
特徴が違うのは一聴して分かりました。
大まかに言うと
バリレラは明るく軽やかで乾いた音。
高音域が派手目。
細かな表情は出さないものの、出た瞬間から楽しめる小気味良さがある。
これはモノラルにも共通しています。
アメリカーンな音で、まとめは流石です。
デンオンは真面目、重心が下がり安定感が出ます。
けれども細身の音で、なんだか湿っぽく暗い感じがします。
ノイズは多め。19gという重心圧をかけても…⁉︎
個人的にはもう少し明るさとか伸びやかさ、力強さ、太さが欲しいなぁ、と感じました。
VALは自身の作なので言うまでもなく、素直な真面目な音で、細かい音を拾い表情が出てリアリティが格段に上がる。価格差もあるので当然だと言えば当然ですが。
こんな印象でした。
オーディオは何を基準にするかでアプローチは変わって来ます。このレコードの時はコレじゃなきゃというのもありますから、参考にしていただき、『差』を利用して楽しく使いこなしましょう。
試聴の感想とは、ある装置群、あるレコードで聴いた個人の印象です。
ご興味がありましたら「お客様の声」のページもご覧ください。
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